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山形・金山町産落花生 ビーナッツ
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医学博士 井上浩義教授の知っトク!ピーナッツパワー
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四季折々に表情を変える蔵王の雄大な眺めにちなみ、蔵王の森工場という名称になりました。

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【第18回】記憶力改善や認知症予防効果 でんちゃん

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高齢化社会の到来により、脳の健康に注目が集まっています。ヒトの脳は20歳前後に完成され、その後、脳細胞は徐々に減っていき、60歳を超える頃には5%程度重量が減少すると報告されています。この脳の健康が、近年、酸化ストレスや脳血管の働きに大いに影響されることが分かって来ました。このため落花生を使った研究が意欲的に行われるようになっています。前者の酸化ストレスには、落花生の薄皮に含まれるポリフェノールが、後者の脳血管には落花生の脂質であるオレイン酸が有効であろうと考えられているのです。

少し複雑な研究ですが、落花生薄皮の抽出物を使った研究が昨年発表されました(Nutrients(2016)8,256)。オメガ3系の脂質として注目を集めている魚油は、脳を保護、活性化する一方で、その長期使用は、酸化ストレスを誘発し、ヒトにおけるアルツハイマー病のリスクを高めることも報告されています。この欠点を落花生薄皮抽出物が補うことが出来るかを調べたものです。この研究では、5週間に亘って、落花生薄皮抽出物だけ、魚油だけ、そしてそれらの混合物をマウスに食べてもらって、その後に、マウスの学習能力(この場合には空間認知)をモリス水迷路試験という方法で測定しています。その結果、図のように、魚油に落花生薄皮抽出物を加えると、極少量でマウスの学習能力が上がることが分かりました(図の値が大きいほど学習能力が上がっています)。この時、魚油だけでは身体の中の酸化ストレスが増加したのに、落花生薄皮抽出物を加えると、血液だけでなく、脳の学習機能を司る皮質や海馬も酸化ストレスから解放されています。

また、実際に、ヒトに薄皮付きの落花生を食べて頂き、脳の血流と認知能力を調べた研究も昨年発表されました(Nutr Neurosci.2016 Jul 7:1-8)。61名の健常者(平均BMI 31±4)に、通常の食事に加えて高オレイン酸落花生を12週間摂取してもらいました(56-84g/日)。その結果、高オレイン酸落花生を摂取した後には動脈の弾力性が10%程度増加し、短期記憶、作業処理能力なども高くなりました。

学習機能や認知機能に、酸化ストレスの軽減と脂質の観点から、今後ますます落花生が注目されそうです。

慶應義塾大学 医学部教授 1961年福岡県生まれ。 医学博士、 理学博士。
専門分野は薬理学、 生理学。 平成22年度文部科学大臣表彰。 食と健康についての造詣が深く、 わかりやすい解説に定評があり、 雑誌 ・ テレビ出演も多い。
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