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山形・金山町産落花生 ビーナッツ
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医学博士 井上浩義教授の知っトク!ピーナッツパワー
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【第4回】体によい脂肪分 でんちゃん

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落花生と聞くと、すぐに「脂肪分が多い食材」に類別して、敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。成人の身体を作る60兆個の細胞はタンパク質で出来ていますが、その周囲を取り囲んでいる脂肪です。ですから、食物として脂肪を摂らないと細胞は新陳代謝を起こせません。脂肪は毎日摂らねばならないのです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、食事のエネルギーのうち、約25%は脂肪から摂ることを薦めています。すなわち、1日では脂肪(油脂)としては40~50g程度摂ることが必要なのです。そして、どうせ脂肪を摂るのならば、「良い」脂肪を摂りたいものです。

落花生はその約半分が脂肪です。落花生には脂肪の一種であるコレステロールは含まれていません。落花生の脂肪の内訳は飽和脂肪酸が約20%、残りの約80%が不飽和脂肪酸です。この不飽和脂肪酸ではオメガ6と呼ばれるリノール酸が約30%、そして残りの約50%がオメガ9と呼ばれるオレイン酸です。オレイン酸はオリーブオイルや米油の主な成分です。落花生の脂肪の中心であるオレイン酸は、その栄養的価値と共に、酸化(劣化)されにくく、非常に安定性の高い脂肪ということで現在、注目を集めています。

落花生を用いて作った低脂肪・高オレイン酸食を6ヶ月間食べ続ける試験では、低脂肪食に比べると図のように、増えて欲しくない中性脂肪は増加させず、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールを統計的有意に減少させることが分かりました(図参照)。つまり、落花生のオレイン酸は血液を健康な状態にしてくれるのです。また、図には示していませんが、この試験では、低脂肪食だけではコレステロールは247mg/dLから241mg/dLと僅かにしか減少しませんでしたが、低脂肪食に落花生の高オレイン酸を加えた食事では、264mg/dLから238mg/dLとこちらも統計的有意に減少させました。

落花生の「良い」油を私たちの食事に上手に生かしていきましょう。

慶應義塾大学 医学部教授 1961年福岡県生まれ。 医学博士、 理学博士。
専門分野は薬理学、 生理学。 平成22年度文部科学大臣表彰。 食と健康についての造詣が深く、 わかりやすい解説に定評があり、 雑誌 ・ テレビ出演も多い。
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