今月は落花生の上手な食べ方の2回目です。落花生の大事な成分のひとつであるポリフェノールはピーナッツを包む茶色の薄皮に含まれています。ポリフェノールは現在約8000種類が知られていますが、特に注目を集めているポリフェノールのひとつがレスベラトロール(以前の落花生と生殖機能で紹介済み)です。このレスベラトロールの機能に関しては、今年の11月6日(月)のNHKの朝の情報番組「あさイチ」で詳しく解説させて頂きました。このレスベラトロールは私たちの細胞の核の中にあるサーチュイン遺伝子と結びついて細胞全体を休息させる作用があります。生物の細胞はゆっくりと活動した方が、寿命が長くなる傾向があるようです。昨年から長寿で話題になっているニシオンデンザメは平均寿命が270歳程度と推定されており、400歳を超える個体も存在するそうです。このサメは1年間に1センチメートル程度しか成長しません。それだけ、細胞活動が緩やかなのです。この他の落花生のポリフェノールにも抗酸化作用が強いものがたくさん存在します。落花生を食べる時には是非、薄皮も一緒に食べるようにしたいものです。
さて、このように落花生は“身近な”機能性食材です。この落花生が“身近な”理由は幾つも存在し、栽培が比較的容易であること、保管や加工が行ないやすいこと、比較的に昔から食べられていたことなどが挙げられますが、最も“身近である”理由は価格が安定していて、購入しやすいことかもしれません。図を見て頂いたら一目瞭然ですが、平成29年前半の落花生の輸入単価はアーモンドやくるみ、ましてやカシューナッツなどに比べると、3.4分の1~5.1分の1程度です。まさに財布にやさしい機能性食材と言えますね。この経済的な機能性食材をおやつにだけでなく、食事やスポーツにも取り入れたいものです。今号で、落花生そのもののエッセイは終わりになりますが、次号からは、お料理に落花生を取り入れた場合の栄養バランスなどを料理のレシピと共に紹介させて頂きます。お料理を作って下さるのは、自称?落花生料理研究家の鈴木和雄さん(株式会社でん六・常務取締役)です。お楽しみに!